ポケモンとジャニーズとそれからボカロ。

みんな違うからみんな好き。

月に目がけて撃て! 〜天へ弓引く行為とSwing My Wayの貪欲さと

Travis Japanのデビューツアー「THE SHOW 〜ただいま、おかえり〜」は無事に幕が降りた。

大半がオリジナルソングで構成されたセットリスト。ここでまさかの3曲もの新曲が発表された。ツアーの途中、ライブでの披露こそないもののタイアップで使用される曲として2曲更に発表された。無事にそちらの2曲は他の新曲と音源化されているが、ここでの3曲はJr.時代曲とともに音源化の目処が立っていない。というかなんでその状況で更に新曲増えてるんだ。

というかあまりにはてブロご無沙汰すぎてトラジャの沼落ちブログすら準備できてないよぉっ!?全く脈絡なくトラジャの初ブログ書こうとしてるんだがっ!?

……まあ今回それを後回しにしてでも書きたい話があったからそれを書いていくわけですけども。とりあえず前提情報として。はい、川島如恵留担にもなりました。

 

 

 

そんなデビューコン追加曲の中でも私がめちゃくちゃにツボに嵌まった楽曲がある。今日のテーマはこれである。

 

 

 

 

Swing My Way

 

その名の通りスウィングジャズが特徴のナンバーだ。ゴリゴリのブラスサウンドとかいう好みどストレート楽曲。初めてライブで聴いた時、イントロからテンションがぶち上がったことを今でも覚えている。

加えてこれのイメージはオフ・ブロードウェイやアンダーグラウンドとメンバーは語るではないか。通りで華やかだけどどこかハードボイルドなイメージを想起させる音といえば。しかもこの曲を猛プッシュして構築したのは如恵留さん。つくづく趣味や感性が合う。心からいちオタクとして語り合いたい。

 

 

で。Swing My Wayのパフォーマンスについては色々語りたいが今回の本題はここから。

 

 

「Aim and shoot for the moon」

これは2Aメロの如恵留さんパートである。

この時に如恵留さんは、必ず弓を引き矢を射る振りをする。

そう、この歌詞の「Aim and shoot」は「弓を引いて矢を射る」ことと解釈させているのだ。

 

ゴリゴリのスウィングジャズ、赤ベロアにハット、この要素で連想しがちなアンダーグラウンドのイメージはマフィアとかそっちではないか?と私は思った。

いや他の業界(業界?)だとしても通常アングラに弓矢はなくない?実用性としても、破魔矢のような弓矢のイメージとしても。

だとしたら、この一文に弓矢を重ねるなにかがあるはず。と考え、調べたいくつかのものから解釈することにしてみたのが今回の趣旨である。

 

私は、大学の1年半しかやってなかったが、元弓道部である。私が辞めたあとでは妹が国体の強化選手に選ばれるほどの実力者になったりと弓道にそれなりに縁があった。

そんな私情を踏まえてのこの振り。こんなの死ぬしかないじゃない!!!!

 

なおこれの余波かそれとも元々よくやるのか、ファンサタイムでも如恵留さんが弓を引く様子がよく見られ、それを見つけるたび追い打ちをかけられた。

「撃って」うちわでもあったのだろうか。実際にやってるのは「射って」るだけど。

 

 

 

返し矢と射日神話

 

そもそも私が「Aim and shoot for the moon」で矢を放つ動作をした際に思い浮かべたことが2つある。

 

天若日子の返し矢

・中国の射日神話

 

以上の2つだ。

 

天若日子(アメノワカヒコ)の返し矢は以下のものになる。

 

http://www.plan.gr.jp/kodai/kojiki21.htm

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%82%AB%E3%83%92%E3%82%B3

 

概略としては「使命の頼りを経った天若日子に使いをやったらその使いを殺してしまった。それに使った矢は天まで届き、邪な心で矢を撃ったことで返ってきた矢は天若日子に当たって死んだ。」というものになる。

 

天探女が唆したものに従った結果がこうだと思われるのだが、どの概要を読んでもどうして唆したのかまでは分からない。ただし、天探女が神の遣いの言葉を捻じ曲げたことは許されない行為だが、それに乗ることを選んだのは地上にいたがった天若日子自身ということで、このエピソード内では天若日子だけが断罪されている。

この天探女のエピソードは天邪鬼の原点になっていると言われている。

 

 

続いて中国の射日神話。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BF

https://fuenone2020.hatenablog.com/entry/poem14sunshot

 

射日神話はその字の通り太陽を射落とす神話である。その多くが増えたり光が強くなった太陽を、射ることで威力を下げようとする物語になる。今回調べて思っていたよりレパートリーが多くてびっくりした。何ならほぼ文脈が同じの日本の伝承もあった。

中でも私がすぐに想起したのは中国のものだったのでこのように書いた。

 

中国の射日神話は簡単に言うと『順番に出てくるはずだった太陽が10個同時に登り地上が灼熱と化してしまった。羿(ゲイ)という人物が一つだけ残してすべて射落とすと、射落とした太陽たちがカラスになった』という話だ。

この10に増えた太陽のうち撃ち落とした9つはカラスの姿になったとされるが、それはヤタガラスのことである。

恐らく飢饉とか干魃とかから生まれた伝説ではないのだろうか。太陽が増えて強くなったということは、その類の異常気象で大変なことになったのでは?

 

 

天に矢を射るからといってなぜこのタイミングで思い浮かべたって?

 

 

別界隈の推したちの元ネタだからだよ。

 

 

 

現在私は東方Projectにもハマっており、ヤタガラスは最推し霊烏路空(れいうじ・うつほ)の、天探女は推しの1人稀神サグメの元ネタになっている。特にヤタガラスと射日神話については空のスペルカード『焔星「十凶星」』にも用いられている。

 

なおこの射日神話には続きがあり、ここで太陽を射落とした羿こそ後に嫦娥に裏切られた人物である。東方Project嫦娥といえば月の要人であり、そんな彼女への憎しみを募らせる純狐だ。

純狐の憎しみの1つである「息子を殺された」を体現しているのは夏王朝時代の人物である羿自身のものであり、ここでは純狐の元ネタその人である玄妻があえて嫁ぎ謀殺している。純狐のバックボーンは2つの物語に出てくる羿のミックスだ。

 

しかし、ハマり始めてから日が浅いとはいえ、お空ちゃんの情報で止まってたとかあまりにも浅すぎるのは確かで。ちゃんと掘らなきゃ例大祭*1参加者である如恵留さんに『素人質問』されちゃう*2

 

話がそれすぎた。

 

要はこのように『天に向かって矢を射る』という伝説・伝承がいくつか私の知識にあったため、如恵留さんがこの歌詞で矢を放つ動作をしたことにテンションが上がったわけだ。

 

 

 

 

月神

 

ここで私はあることを考えた。

 

『射日神話があるなら射月神話もあるのでは?』

 

だって太陽を射る話があるなら同様に力が強くなった月を射落とす話もあっても良くない?何よりそこまで直接的な話があれば如恵留さんが結びつけるのも頷ける。

 

 

 

というわけで、早速調べてみた。

すると思った以上に直球の伝説があった。

 

http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/seisin/13.html

https://eastasian.livedoor.blog/archives/1954443.html

 

どちらも同じ内容の伝説だが、書き方や詳細の観点が異なるため、それぞれのリンクを引っ張らせてもらった。

この射月神話は要約するとこうである。

 

八角形で光の強すぎる月の角を、色々やって射抜いた。それでも力が強かったので錦の布ごと射って覆うことで弱めよう……としたら飛んでいった錦の絵が月の上で動き出して図に描いていた奥さんが月に行ってしまう。けれど月から奥さんが自分の髪を垂らしてくれたので共に月に行けました。』

というもの。

 

面白いのが月の力を削ぐだけでなく、月へ自身が向かっていき、そこで新しく生活するというオチになっており、そこは返し矢とも射日神話とも少し異なっている。月は神秘的であると同時に憧れなのだろうか。

 

 

先にも書いたように、射日神話のほうがいくつもの地域で語られるくらいにメジャーだ。上記で同じ神話についての記述を2つ引っ張ってきたのはこのためで、それほどに射月神話は少なく、その上見つけた伝説自体も現状それ以外の明確なソースを確認できていない。

 

 

 

月と星

 

ところでこの射月神話、射日神話の共通点が気になった。

これまで挙げてきたことをまとめると、どちらも『勢いが増しすぎた偉大なものを、射落とすことでその力を削ぐ』ことが目的となっている二種の神話。

ここから歌詞そのものがかなり気になってきたのだ。

 

 

 

ここでSwing My Wayの歌詞に一旦戻る。今度は一度別の歌詞に注目したい。

 

 

「I'll be a superstar」

 

ここで歌う「superstar」は、多くの用例のように歌手や芸能としての『スーパースター』のことだと思われる。

しかしこれは2サビ終盤の歌詞で、、「Aim and shoot for the moon」の後に出てくる歌詞である。まるで「星が月を打倒しようとしている」ようにも聞こえる。射月神話のオチに対する「月は神秘的で憧れ」という感想がまさかの繋がりを見せる。勿論現代の天文学を知っている我々の観点では「星が太陽と同じ恒星で、衛星である月より下に見るのはおかしい」と思うだろう。しかしそれを脇に置いて見れば月より星のがサイズも光も儚い。太陽のように至近距離にある恒星ではないからだ。というか至近距離にもしあればガチの十凶星になってとっくに地球は死の星なわけで。

となれば星が月を目指すという表現は理にかなっていたりする。そしてそれはまさしく『勢いのあるものを射抜いて力を削ぐ』、そして『自分も星となる』暗示になっているのではないか?

 

またこれの根拠かのように、2番にはこのような歌詞もある。

 

「開けnew neneration」

 

これは中心の話題である「Aim and shoot for the moon」の直後の歌詞である。月を撃ち抜く星としての新世代、その後の歌詞自らだと主張しているのかもしれない。

思えば1Bメロに出てくる、

 

「Spin around spin around Move your body」

 

前述の考察を見るとまるで衛星や惑星の動きのような歌詞だ。ずっとここの歌詞がほかの歌詞と結びつかなかったがそういうことか。(そうか?)

というか「I'll be a superstar」以外全部如恵留さんのパートなんだけどなにしてんの私。

 

 

 

注意してほしいがこれはあくまで曲の世界観で、Travis Japan自身が蹴落とすまでは想定しているとは限らないという点だ。そこまでいくと拡大解釈になる。

……まあこれ自身が掛け持ちしてるからあまり攻撃的でいてほしくない願望を秘めた解釈なのかもしれないが。しかし作品=作者という考え方が危険なのは読者もわかっていると思いたい。

 

いずれにせよ、これらを私は強い力を持ったものへと弓を引き、そこを打倒と共に目指していく星、そのように解釈した。アンダーグラウンドやオフブロードウェイの雰囲気にピッタリな貪欲さだと感じる。

 

 

 

まとめ?

 

手話でも歌詞を歌うことがある如恵留さんを見ていると、普段から楽曲の歌詞を分析・考察した上で落とし込んでいる節があるように思える。

そもそもSwing My Wayのような「ムーラン・ルージュを意識した、アンダーグラウンドの雰囲気ある曲」のリクエストは如恵留さんが主導で行っていたという。

如恵留さん自身のこの曲へのこだわりと思い入れは恐らく深い。

 

歌詞に基づく詳しい分析は追々やっていきたいが、全体的にショーの華やかさに秘めた貪欲さを感じる歌詞だと実感した。他の歌詞にも燃えあがるイメージや自分自身への強さを大いに感じるのだ。今回の趣旨から少しずれるので割愛しただけで。

 

歌詞を掘るきっかけは自分の「射抜かれた」趣味からだったが、思った以上に華やかでありつつ奥に秘めた強さを文字から感じ取れた。

きっかけをくれた如恵留さんの振りには感謝しかない。そもそも冒頭どおり私の大好きな要素てんこ盛り楽曲なので何から何まで如恵留さんの掌の上なわけだけど。

 

 

 

総評

 

Swing My Way含む未音源化楽曲全ての音源化、されるまで全裸待機してます!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追伸と言う名の私信

 

ここからは完全な私の私情になります。

私情を絡めに絡めまくった自己顕示欲強めの文章になっておりますので、ヲタクのその手の感情が苦手な方はここまでの閲覧をおすすめいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事、本当はデビューコンの興奮冷めやらぬ中、速攻で上げるつもりだったのだ。しかし個人的にバタバタしてたり放ったらかしにしたりでデビューコンDVD発売が迫る中の投稿になった。冒頭とか当初むぅぴぃもEPも発売前だったから「音源化の目処が立っていない」とか書いていたし。

流石にDVD発売には間に合わせたくて掘り起こして書き上げたが、それでも発売日よりもそこそこ余裕のある今に上げたのには明確に理由がある。

それは今日が8/1だからだ。

 

 

 

 

8/1、のえパラの公演日。

如恵留さんにとってターニングポイントとなったと語るソロ公演日。

 

この頃まだ私は完全にトラジャにはハマりきっていなかった。それでもいつかハマる確信を如恵留さんから得ていた私は、運良く休日だったこともあり、視聴チケットを買っていた。

KinKi Kids堂本光一からジャニーズを始めた私は出だしのDanger Zone〜to the unknown world〜で色んな意味で度肝を抜かれ、その後もふんだんに込められたショーとアイドル、クールに楽しく、そしてそのセンスの近似に嬉しくなった。TAMERのメンバーパートはカットしたり、逆にUnique Tigersはメンバー分こそ全部歌ったり、自分視点であることのこだわりがすごかった。元があそこまでギャップがあるなら多分このタイミングから「め」をフルスロットルでも……良かったんじゃないかなぁ…………*3

 

ファンへ、バックの8忍へ、メンバーへ愛をたっぷり込めたその公演は多幸感で満たしてくれた。

 

 

 

あれから3年が経ちました。渡米、デビューを経て、取り巻く環境は比べ物にならないくらいに激変しています。

そんな今も、如恵留さんが随所で「この日は特別な日」と語る度に涙が出そうになります。

なのでこの「特別な日」に如恵留さんがこだわり抜いたこの曲の感想、及び歌詞と如恵留さんの動きに対する考察を上げることを選びました。

 

 

 

あなたのお陰で私は、自分の誕生日が益々好きになりました。

遅くなりましたが、3年前の今日、素敵な誕生日プレゼントをありがとうございます。

 

せめて初演開始時刻の12時ピッタリに上げたかった。(現在時刻12:38)(締まらない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:博麗神社例大祭東方Project最大のオンリー同人誌即売会

*2:如恵留さんはコミケとともに例大祭の参加経験を語る程度には東方Projectが好きと思われる。今でも好きかは不明だが、東方地霊殿、東方紺珠伝さえわかれば上記2つは知っている可能性が高い。

*3:ENTER1234567が予定被りで見られなかった人。ギャップの落差が激しいのに慣れているジャス民かつ如恵留さんと同タイプのヲタクだから耐えられると言えるだけ説。